さぁ行けすべて灰になっても
自分で消した時が最後に 君の最後になる
*
大晦日。
一通りの騒ぎが収束して気だるい夜更け。
深夜3時をまわったあたりから人が動き出す気配。
初日の出を見に行くらしい。
24H営業のドライブスルーはブレーキランプの隊列。
早朝に水平線を目指す人々の燃料を提供。
あくびを噛み殺してアクセルを開ける。
通り過ぎるバイクの集団が真夜中の静寂があったことを知らせる。
何もないを欲しがろう。
手にすることができないものを触れに行こう。
誰のものでもないものだから、あなたのものでもある。
カムチャッカの若者がきりんの夢を見てる時
飛行機のパイロットは孤独のバトンを手渡す。
ニューヨークの少女が微笑みながら寝返りをうつとき
水夫は羅針盤を確かめて水面から白みかけた空へと目を移す。
ぼくらは毎日特別な日を迎える。
朝日はその日だから特別なのではなくて、毎日美しいのだ。
たった一度しかしかない日の始まりを祝福する。
昨日でもない明日でもないまして今年一年だなんて大層な括りなどではない。
ありふれた最初で最後を祝福する。
今日という日を。
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Thanks to
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)「十二進法の夕景」
谷川俊太郎「朝のリレー」
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