前回の投稿では、自律訓練法の訓練について適当に記述した。
筆者が都内でサラリーマンをやっていた2020から2021年の時点、
通勤時と社内外での様々なストレスが尋常じゃなくやばかった時期があった。
リモートワークの合間や出社時のオフィスのトイレなど、
5分でも隙間時間があれば欠かさずに自律訓練法の公式をぶつぶつと唱えてリラックスをしていた。
そのおかげもあってストレスを最小限に抑えて乗り切ったので、
個人的にはぷるぷる健康法やスワイショウなどと並んで、コストが低くリーズナブルで効果が絶大なメソッドだと考えている。
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言語公式でリラックス状態にもっていくのは「標準練習」と呼ばれる自律訓練法の全体の中では基礎の土台部分にあたる。
より応用の段階として(実際にはこちらがメインと呼べるかもしれないが)「特殊練習」と呼ばれるものがある。
変性意識状態で望ましい思考習慣をインプットしたり、逆に望ましくない習慣への依存度を逓減させていくことができる。
特殊練習の中の「節制公式」・・・「XXをしないでいられる」というのは、禁酒・禁煙などに取り組む人に勧められる文言だが、これは自慰行為がやめられない、ついついAVを見てしまうなどのオナニー依存の禁断症状にも応用できる。
長期蓄精が通常となった人間は、皆無意識に「オナニーなんてしないでも別に構わない」というレベルになっているが、誰でも意識的に思考をその習慣に近づけられる。
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引き寄せの法則、潜在意識活用の文脈でのアファメーションに大枠は似ているけれど、
自律訓練法で用いる文言としては「ツイている」とか「私は運がいい」「なぜかお金が毎月振り込まれる」というような
曖昧だったり主導権が自分側になかったりする文章は用いない。
少なくともエミール・クーエの暗示法(http://mindstudy.life.coocan.jp/newpage99.htm)「私は毎日あらゆる面でよくなっている」など、
どんな局面にも対応している、全方位的な文言がいいかもしれない。
「特殊練習」の文言について話を戻す。
書籍で紹介されているものでは、集中力をつけるために
「第一段階」・・・私は一歩を踏み出すことができる
「第二段階」・・・私は一つひとつ積み重ねることができる
「第三段階」・・・私は何事にも興味を持ち続けることができる
という要素に段階的に分解している。
覚えやすければ文章を好きに変えても構わないが、基本的には自分を主体として具体的な行動ベースとして落とし込んでいる。
これは長年人間をよく観察して病理的な傾向を治療してきた人がうまく練った文章だなと感心する。
人間心理は複層的で複雑だが、おおまかに「興味を持つ、始める、繰り返す」という要素に分解すれば単純で理解しやすい。
経済的に豊かになる、恋愛成就、学校受験を突破、ダイエット、スポーツや芸術で成果を出したいなど
目標設定をいくつか設定したとしてもほぼ同じ要素に分解されて、
最終的には主体である”私”が”望ましい行動を選択する”という意識状態に持っていけばいいだけだということになる。
望ましいことを続けられない理由を見つけて対処し、
望ましくないことをしてしまう原因を見つけてなくす。
意識が行える行動って実はこれくらいしかない。
「やりたいことをやる」というフレーズと表裏一体となって
「やりたくないことはやらない」という行動ベースの解釈がある。
実際にはやりたいことは止めてもやってしまうから、それはデフォルトの無意識の作用。言い換えるなら心の中の子供の部分だ。
望ましくないことを制御するのが意識の主要な作用である心の中にある大人の役割と考えるのが、個人的に感じている結論。
「特殊練習」の集中力をつける三段階の文言は、無意識の元々の作用を引き出すための最適なセンテンスだとおもう。
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「特殊練習」では例えば特定の状態に対して症状を緩和する(人前で緊張しない)ものから、
オリジナルの文言設定で望ましい状態になるまで幅広く対応している。
標準練習で変性意識状態というリラックス状態を作れるようになってからという前提はあるが、
けっきょくは人は自分が思ったように生きていたいはずなので特殊練習までがワンセットになると思う。
誰もが生きやすい世の中になるにはまず自分が生きやすい状態を最適にコーディネイトしていくのが手っ取り早く、もっともコスパが高い。
そしてそれは意識と無意識の二人三脚を本来の自分が観察、確認しながら進めることで達成されていく。
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